「広角レンズの演劇」
「広角レンズの演劇」とは、
俳優の身体と劇場の壁や床が観客にとって等価に見えることを目指し、
その結果、生活の中で有用性のもと規定された物事や他人との距離感、
あるいは物事に対する遠近法を一度解体し、
観客の新たな視線を構築する演劇作品をつくる試みである。
上演を通じて観客が獲得する新たな知覚は、
観劇時だけでなく、生活の中で一般化や固定化された
「価値判断」を省みる契機に繋がると考える。